ガンビットはミスを放置する

 ファイナルファンタジーXIIのゲームシステムに採用された「ガンビット」。本作では、序盤に仲間になる「バルフレア」とガンビットについて学ぶチュートリアルシーンがある。

 ここでガンビット処理の特性が説明され「よくない設定」を行うと、バルフレアのAIがおかしな動きをして、プレイヤーに不利益をもたらす「お節介野郎」な行動ルーティンが採られることが明らかになる。

 プレイヤーは冒険の進行とともに多彩なガンビットを手に入れ、より深い設定が可能になっていく。しかしプレイヤーが設定をミスすればリーチしない行や、無意味な設定や、AIの非知的な振る舞いを許すことになる。

 ゲーム側でガンビットの設定ミスを検出して、組めなくすることは可能だ。しかし、そのようなゲームシステムの実装で、これはゲームになるだろうか? ポーションを無尽蔵に使うガンビットを組んで慌てるのもゲームの楽しみだと思うし、あえて馬鹿なAIを組むのも面白い(←これが、分からない人には本当にわからないらしい。子供時代を思い出せ!)

 コンストラクションを楽しむツールRPGツクールしかりリトルビッグプラネットしかり)には常にその命題がつきまとう。コンストラクションを「作業」「労務」と見なして自由度を殺してでも確実性を高めるか、「遊び」「楽しみ」と見なして確実性を殺してでも自由度を高めるか。

 僕の考えは後者である。クリアできないステージだからとセーブを拒まれたり、取れないアイテムだからと存在を消して欲しくない。トライ&エラーを繰り返すのは本当に楽しいし、パズル的面白さがある。