矛盾を要求する

「矛盾を解決する」ことは一部の人にしか達成できない超S級の困難な仕事だが、要求することは簡単だ。そしてその要求能力において日本は世界トップクラスのものを持っていると思う。「足ることを知る」という言葉があるが、「足ることを知らない」からイノベーションがあるのだ。

人の居場所をセンサーで検知して挙動を変える省エネエアコン。炊いてから時間が立っても味が落ちにくい真空化保温機能をもった炊飯器。カメラとAIを搭載し、納めた食べ物の位置をセンシングして冷気を吹きかける冷蔵庫。

作る方も作る方だが、欲しがる方も凄いと思う。

エコ関連の製品は「これまでと同じ文明レベルの生活を維持したい。けどエコしたい」という矛盾を少しずつ満たしている。
(最終的に地球を救えるかどうかは別として)

日本人は、自分も含めて食に関しても敏感で、「安くて安全で美味しくて見た目が綺麗な国産品を食べたい」といった矛盾に満ちた水準を求めている。残念ながらこちらは農業界が矛盾を克服できず、外国人研修生問題という大問題を生んでしまった。

外国人研修生問題は大問題だし恥だが、健全にさえやれれば、日本の要求水準の高さを国際的な開発で克服して、世界に送り出す、ということは協調的にやれるんじゃないだろうか。