カジュアルゲームの時代というが

 世間的には、莫大な予算を必要とする、ハリウッド級のグラフィクと、先進的なプログラムを搭載したHDゲームに対して、任天堂は低予算のカジュアルゲームを作ってきっちり利益をあげている……ということになっている。この話はよくネットや新聞に出るので、同じ論調で同じような意見を持つ人とよく話をする。

 おおむねの点では同意だが、もう少し掘り下げてみるとさらに面白いかもしれない。

研究開発費と広告費

 カジュアルゲームはぱっと見、非常に安い見た目で、ファイナルファンタジーのようなリッチなHDゲームと比較すれば、予算をおさえた作りに見えるだろうし、実際 "開発費" 自体は間違いなく低い。しかし、別計上の研究開発費や、広告費も視野に入れれば、必ずしも「安く作って、たくさん売り抜いて、ガッポガッポ」という構図にはならない。特に、任天堂の広告費は他社と比較して桁が2桁くらい違うんじゃないだろうか。

マリオ系やスマブラはカジュアルじゃない

 マリオギャラクシーマリオカートスマッシュブラザーズなどのゲームは、グラフィクやモーションに力が入っていて、他社ゲームを蹴散らす気満々の出来上がりになっていると思う。当然、グラフィック、モーション、サウンドなどのリッチエンターテイメント要因に予算をたっぷりかけている。

 PS2 以上の性能を持つ現行機できっちり作ったこれらのゲームをカジュアルゲームに分類して脳トレと同列に語るのは筋が違うと思うが、新聞とか読むとマリオやスマブラも低予算で作って売り抜いたという扱いになっていることが少なくない。ファイナルファンタジークラスのゲームと比較すれば予算が少ないのは間違いないが……