続・iPhoneでオライリー本を読む


id:LYEさんの質問に答えるっす。
AppStoreで購入できるオライリー電子書籍データはページ毎にスキャンしたPDFデータとは少し違います*1。ページの概念はなく、文章は現在の文字の大きさと、縦/横画面モードの幅に合わせて自動的に折り返します。

水平スクロールにあたる操作自体がなく、垂直方向はスクロールではなく切り替えで行います。ひとことで言えばP.M.L.S(プログレッシブ・マップ・リンク・システム)方式ということになります。

文字の大きさはピンチ操作で変更します。下は1ページの情報量を増やすために、文字を小さくしたところです。

逆に読みやすさを重視して、文字を大きくすると下のようになります。

ズームインズームアウトではないので、ピンチ操作を行うと、画面が一度消えて再レイアウトが行われます。
この仕組みでは1ページの情報量が文字の大きさで決まるため、自分の位置は章内のページ数のほか、パーセンテージで表現されます。

いいことばかりではありません。通常のスタイルの文章は画面の右で折り返すのですが、ソースコードや図表などは HTML でいうところの pre タグと同じ扱いになり、画面の右へ飛び出します。これはなかなか衝撃です。

しかし、このアプリは左右スクロール操作がないので、右に切れた表示を追いかける方法がないのです。これを読むには画面を横画面にしたり、文字を小さくするしかありません。

目次ジャンプ機能は便利ですが、うまく飛べないことがあります。ブックマークも同様です。反面、センテンスにコメントを書いておけるアノテーション機能は、本にボールペンで書き込む派の人間の心を少し癒してくれると思います。

しかし、やはり最後は230円や600円という破壊的な価格にはかなわないというのが自分の感想です。今日届いた Unity Game Development Essentials に払った金で10冊買えたと思うと、なかなかクルものがあります。

僕は英語が読めないので、洋書を読む際は、中学生よろしく赤ボールペンで単語の意味や熟語の意味を書き込んでます*2。会社ではなく個人の金で洋書を買っている理由のひとつがこれで、これはKindleのような電子デバイスではできません。文字を書き込まないと、どうにも読めないのですから、2〜3割安い電子データを買うより、時間がかかってもAmazonに紙の本を頼まざるを得ません。

しかし600円となると話は別で、読めない英語辞典機能で分かったつもりになったり、いちいち辞書アプリに切り替えて単語の意味を調べるような読み方でも全然我慢できます。

フォントやカラーを好きなものに変更したり、ラインスペースやアライメントをカスタマイズしたり、画面回転をロックして寝っ転がって読むことができるなど、作り込みはなかなかです。読書感はLite版や、230円のApp本でチェックできると思います。

*1:これもPDFの一種で、内部で使っているのかもしれません

*2:この方法は最強で、辞書が引ける電子文書より効率がいいです。ぱっと読み返したり、さっき出た単語を引き直さなくてもパラパラと戻るだけでいいのが良いです