「Unityではじめるゲームづくり」DVDの中身(前)

 「Unityではじまるゲームづくり」無事刷り上がりまして、下記の書店にて先行販売が開始されました。


 本の出来は書店でチェックしていただくとして、そういえばDVDの中身に触れていなかったので、簡単に紹介いたします。全部で5フォルダに分かれており、

Chapters (原著より)各章で使用するプロジェクトやアセット
Final Project Files (原著より)ゲームの最終状態に各章の最終状態のシーンファイルが追加されたプロジェクトフォルダ。超便利
Design Documents (原著より)本書中で作るアクションゲーム Widget の GDD (Game Design Document) やコンセプトアートが入っている。一部和訳のうえ収録
ShaderTest 各シェーダの違いを一覧できるプロジェクトフォルダ
Slides 勤務先の会社内の勉強会で使用した資料を収録

 のような内容になっています。
 原著にあった Appendices フォルダはすべて日本語訳して本文のほうに収録してあります。

Slides

 会社の勉強会用に作成、保守されていたスライドの最新版をPDFに書き出して収録したオマケです。全部で16回ぶんあります。
 一部説明にアニメーションを使っているスライドでは悩み抜いた挙げ句 .mov で書き出しました。
 本文の読書の補助資料としてお使いいただければ幸いです。章によって多少目的にばらつきがある(完全に本書準拠なものと独自のものがある)のと、当日の勉強会では当然スライドとは別に実機操作による上映と口先による解説が入るのですが、DVDにはPDFしか入れられないので、章によっては説明を相当足しました。

 内容は以下のようになっています。

Unity 操作入門(3_Interface)

 本文の第3章「Unityエンジンの概要」は大半がインターフェイスの説明です。このPDFはそのインターフェイス説明に特化したもので、社内の勉強会の栄えある第1回に使われた資料です。全部で113ページあります。

Terrainエンジン入門(5_Terrain_Engine)

 こちらも第5章でTerrainの作り方が解説されていることから、全ツールの使い方を地道にスライド起こしました。全部で88ページあります。そしていま見返してて気づきましたが、すべてのスライドで他社製品のタイトルを伏せ字にしたにも関わらずこの章のスライドには「ポピュラス」という言葉が思いっきり残ってました。 orz

スタティックメッシュとテクスチャのインポート(6_Import)

 まさにこのスライドのタイトルが第6章の骨子です。基本的なインポートの概念のほか、インポート設定を追えるだけ追った全55ページになっています。

スキンメッシュとアニメーションのインポート(7_Skinmesh_and_Animation)

 こちらは勉強会でもハンズオンでやったので、完全な補助資料となっています。全36ページで、 .mov 版もあります。

Javascript入門(8_Javascript

 本文中でも第8章は Javascript 入門で、9章からスクリプトの話が始まる前に最低限のスクリプト記述を叩き込ませる章になっていますが、勉強会の方もこの回は企画さんとビジュアルさんにJavascriptを叩き込むための特別回として行われました。全82ページで、途中の操作をムービーで記録した関係で、 .mov 版もあります。

キャラクター制御と入力(9_Control_Object_and_Input)

 第9章の補助資料という位置づけですが、当日の勉強会では本文を放り投げて、大先輩よりいわれた「オブジェクトの動かし方と入力の取り方とヒットの取り方が分かれば、それを使ってゲームは作れる」の三大要素のうち、オブジェクトの動かし方と入力の取り方についてフォーカスしてやりました。86ページ。

アニメーションの制御(10_Animation_API

 アニメーションの再生や停止などの基本的なAPIに触れつつ、当時 Unity のアニメーションブレンドの仕組みや、フェードのリクエストを複数回打ったときの挙動がよくつかめていなかったので、それを色々検証したものを資料にまとめて勉強会で発表してました。69ページ。.mov版もあります。

Unityのヒット(11_Hit_System)

 本書の11章はトリガーに関する章なのですが、勉強会のほうでは「オブジェクトの動かし方と入力の取り方とヒットの取り方が分かれば、それを使ってゲームは作れる」の三大要素のうち、残る1つの「ヒット」についてみんなで勉強しておりまして、「コライダー」「トリガー」「キャラクターコントローラ」「レイキャスト系」の4つの解説や違いを説明してます。全82ページ(アニメーションを多数枚スライドに展開して書き出したので水増しと言えますが……)。これで十分なのか不安だったのですが、若い企画さんがUnityゲーム開発合宿のときに「これでヒットの処理が書けました」と言ってたのでホッと胸をなでおりました。

GUI制御(13_GUI

 本書13章のようにすべてのGUI制御部品について触れたあとで、原著のアセットを使ってライフバーの実装あたりまでやってます。全107ページ。

ライティングとシャドウ(14_Lighting_and_Shadow)

 この回はビジュアルさんが講師を担当して、ライトの置き方の話もそこそこに「ゲームのライティングって綺麗なことも重要だけど、それ以上にもっと重要なことがあるよね」ということで、なにを目安にライトを置けば良いかとか、何を考えるべきかを伝えてくれた回になりました。また社内勉強会時にはゲームの実際のスクリーンショットがバンバン貼ってあって、出版が決まったときにどうしようかと思ったのですが、すべてに地道に許可を取ることで全収録に成功しました。関係者の皆様本当にありがとうございました。全40ページ。

パーティクルエフェクト(15_Particle_Effect)

 パーティクルエフェクトというのは空間になんかスプライトを単に放出するシステムではなく、もっとも手軽で工夫次第で様々な応用が利く汎用スプライトアニメーションシステムなのであります。ということで出来るだけ各パラメータを分かりやすく図示しました。収録前にエフェクトアーティストさんのチェックを受けましたので、うまく説明が成立していると信じたいです。全87ページ。

Unityのサウンド周り(16_Sound)

 本文のほうがしっかりしているので、勉強会では Rolloff モデルやリバーブの話にも少し突っ込みました。全41ページ。

デバッグと最適化(17_Debug_and_Optimizing)

 アニメーション展開しているところがあって37ページありますが、実質30ページくらいです。本書と違うのはブレイクポイントなどにも少しだけ触れている点でしょうか。一番言いたいのは原著の方で推している OnBecameVisible() と OnBecameInvisible() の挙動のクセです。オクルージョンカリングをやれば動作が変わるのかというところまでチェックしきれませんでした。ちなみに私は作戦3押しです(買わなきゃ分からんことを……)

ゲームをビルドする+iOS編(18_Build_for_PC)(18_Build_for_iOS

 PC向けのビルドを扱ったスライドと、iOS向けのビルドを扱ったスライドの2つに分かれています。あわせて61ページ。

Unityの物理エンジンの機能(SP_PhysX

 勉強会第6回に挟まれた特別回である物理エンジン解説回の資料です。9分の .mov 版も収録してありますが、ほとんどが動いているものを見る回なので、基本的に .mov 版をご覧ください。PDFは37ページ。

 あともう1回ぶんに関しては立場上ここに書けないので、買った人のつぶやきか何かで内容を察していただくか、あるいはソフトバンククリエイティブさんのほうで何か情報が出るかもしれません。48ページあります。

 ということで、アニメーション展開スライドもあるものの、一応枚数としては1,069枚あることが分かりました。
 補助資料として使っていただければ嬉しいのですが、なにぶんもとが勉強会資料なので、勉強会資料に使うのが一番相性がよい気がします。じゃあ1冊買ってプロジェクタで映しながら40人で眺めてよいのか?と言われると「ちょっと待ってください、40冊買ってください」としか言えないのが私の立場なのですが(実際会社の勉強会はマジでそんな感じだったので)、常識の範囲内で有効活用いただければと思います。

 他のフォルダについても触れたいのですが今夜はこれにて。

Unityではじめるゲームづくり (DVD付) (ゲープロシリーズ)

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