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ポータブルPC議論に終止符

11月、彗星のように現れた新型PCが我々のポータブルPC論争に終止符を打った。そう、ALIENWARE 13である。

ALIENWARE 13は史上*1最薄・最軽量のノートPCでありながら、Graphics Amplifierと呼ばれる外付GPUボックスを接続することで、PCI ExpressGPUボードを使うことができる。このGPUボックスは単独で460Wの給電能力があり、ミドルタワークラスのデスクトップPCよりも(たとえば同社のALIENWARE X51よりも)高性能なGPUを使用できることが特徴だ。

何より性能と重量が選択式になったことは大きい。ゲーム開発やLANパーティに参加するならAmpliferとセットで運ぶ必要があるが、ちょっとした用事はノート単独で済むだろう。二つを足してもiMacより軽いし、片方だけならバッテリーで1.5時間くらいはゲーム関係の作業ができる。まさに、デスクトップPCとノートPCの良いところ取りをしたマシンだ。

ポータブル機として、ALIENWARE 13のライバルになるであろう同社のALIENWARE X51と比較してみよう。

価格

これはX51のほうが安い。CPU性能を揃えても3-4万円ほど安く、GPUも高性能なものを本体価格内で最初から積んでいる。CPU/GPUの性能をそろえて比較すれば、倍半分は違うだろう。

ただし、X51は毎回消費電力のギリギリを突いてくる傾向があるため、パーツ交換で寿命を延ばしにくく、定期的な本体買い替えが必要になる。例えばGPUに回す電力が200Wしかなければ、特注品のGPUで200Wに収めてしまうのがX51だ。初代 X51 が発売されたときは、パーツの付け替えが可能なことが売りになっていたが、後でGPUを買い換えようとしても電力の関係で選択肢はそこまで多くないのが実情だ。特に最近のモデルだと、最初に購入したときのGPUオプションで、付属しているACアダプタの出力が違うので気をつけないといけない。自分は、初代X51にGeForce660Tiを挿して使っているが、これだってカタログ上は電力不足だったりする。他の人の「動いた」という情報を頼りに乗せているだけだ。

ALIENWARE 13+Amplifierは、GPUの値段を足すとX51の倍はいくだろう。つまり、かなり「割高」なのだが、GPUの買い替えの幅があるので、X51よりうまく延命できる算段が高く、最終的にはトントンにできるのではなかろうか。そうなれば、持ち運びがしやすかったり、最高性能の高い方に軍配を上げる人もいるだろう。

性能

前述の通り、GPU性能は拡張すればALIENWARE 13+Amplifierが上だが、CPUはi7搭載可能なX51のほうが上だ。CPUはもう勝負がついているから、GPUをもう少し細かく見てみる。X51の電源は340Wであり、用意されたモデルではGeForce760Ti が最高性能になっている。これに対してAmplifierは単独で460Wまでいけるため、公式サポート対象のボードでも GeForce 980 が挙がるなど複数スロット挿しではないボードであれば、たいていのボードを搭載することができそうだ。

重量

この世界、5kgを越えれば10kgまでは同じである。が、真面目な話13とX51は本当に同一重量帯になる可能性がある。ALIENWARE 13は本体が約2kg、Amplifierが3.5kgだ。本体には弁当箱*2が付いてくるが、恐らく小型タイプなので1kgいかないと見積もって、ざっくり合計7kgとしよう。

X51は公称値5.49kgだがACアダプタが1kg超で重い。初代X51を体重計の差分で測った時は運搬重量は7kg超だった。さらに、X51の場合、出先でモニタを借りられない場合は、それも持ち運ばなければならない。

運びやすさ

運びやすさは、重量とは違う。持ったときのバランスや、バスや電車への精神的持ち込みやすさも重要だ。自分はX51をiLuggerというiMac用のバッグに詰めて運んでいたが、モニタを別に持ち運ばなければならないため、安定した歩行ポーズを見つけるのには苦労した。

iLuggerは基本的には肩掛け鞄なので、重量がかかっている半身への負荷が大きく、定期的に重量がかかる向きや肩を変えないといけないのだが、そのたびにモニタを地面に下ろして作業しなければいけないのが煩わしかった。両肩に均等に負荷のかかる大型リュックサックに変えることで、この煩わしさは解消できたが、リュックの中でマシンの重心が安定しないので、これはこれで辛く、iLuggerに戻してしまった。iLuggerはバッグの中に耐衝撃のための大きなクッションが入っているのだが、これが詰め物の役目も果たしていて、中に入れたものが揺れにくかったのだ。本当によくできた鞄だ。

対照的に、ALIENWARE 13+Amplifierのポータビリティには期待できる。14の時点でワンショルダーに入れて背負って運べたのだから、13ではもっと楽勝である。ALIENWARE 13を背負い、Amplifierを両手で抱えて歩けば、安定して持ち歩きができそうだ。しかも、背中に回すALIENWARE 13はアダプタ込みで推定3kg前後で、前に抱えるAmplifierも3.5kgと、体の前後で重量がほとんど一致している! 抜群のバランス感で、体のねじれを気にする必要はなさそうだ。3.5kgはダンベルなら軽めの方に入るから、両手両肩で支える分には何ら問題はないだろう。

購入に際して

発売日に注文したが、後日デルのサポートから電話やメールで連絡があり、処理されるのが11月下旬からで、納品はそれ以降になるとわざわざ連絡があった。発売したときは、Amplifierは注文できず、検索してもUSBステレオサウンドバーしかヒットしない状態だったが、今はAmplifierも、AmplifierとALIENWARE 13が一緒に届くセット商品「プレミアム」も、問題なく注文できるようになっているようだ。

*1:公式に「エイリアンウェア史上最薄・最軽量」と謳われている

*2:ACアダプタ