Global Game Jam 2013

 3回目です。今年は最初に宣言しておきたいことがあります。

UDK使います(たぶん)

 使い慣れ、本まで訳したUnityではなく、あえてUDKに挑戦したいと思います。ただ、チーム配分次第でどうなるか分かりませんけど。

寝ます

 今年は車で行くので、寝不足はまずいので、すみません、寝ます。チーム名に「寝ます」って付けたいくらい。
 ホテルは同僚や友人で近場を取りまして、彼らの送迎もしますので、睡眠十分安全運転でいきたいと思います。
 もしノリで会場で深夜までいたら知り合いの人注意してください、ホント。

月曜日は出社します

 いま午前半休さえ予定から消しました。ほんとヤバイんです。

あっちのほうも頑張ります

(なんかJamと本の〆切ってたいてい被るような……)


 ということで若いのに任せてオッサンは引っ込んどこうと思った2013年春。

これだけは言いたい

ソーシャル vs コンソール

ちょっとマテ、
アーケードはどこ行ったのよ。

ソーシャル「お客様の喜びがネットワークを通じてデータで分かります」
アーケード「お客様の喜びはゲーセン行けば直接顔見れるし、ネットワークでデータも見てるし、アップデートもしてまっせ。ゲーセン運営はたいていグループ企業だし運営改善余地あればやりまっせ」

結論:アーケード最強(震え声)

いや、まじめな話、ラチェット持ってマシンの組み立てに参画して、ユニフォーム着てゲーセンスタッフに混じってショーやロケやって、しかもネット対応ソフトではちゃんと課題をネットワーク越しで拾えてアップデータの配信も可能。予算も結構貰える。こんなやりがいと面白いゲームづくり環境が他にあります?
どうすか若い人!!

ケルン

 GDC Europeとgamescom視察に来ました。市内にゲーセンっぽいところが1つしかない!
 ところで久々にネタができたので、広告を消そうと思って新エントリを投稿したんですが、今の「はてなダイアリー」って課金しないと広告を消すことができないようですね。まあ、しょうがないですね……

Game Mechanics: Advanced Game Design 日本語版

 IGDAの設立者の一人であるErnest Adams氏とJoris Dormans氏の共著「Game Mechanics: Advanced Game Design」の翻訳をやらせていただくことになりました。

Game Mechanics: Advanced Game Design (Voices That Matter)

Game Mechanics: Advanced Game Design (Voices That Matter)

 "Game Mechanics" は比較的新しい言葉ですが、その概念に近いものとして、日本では「遊び」という言葉が使われている現場が多いと思います。2年前に監修した「ゲームエンジンアーキテクチャ」でも登場しており、LYEさんのブログを読んで、カタカナ訳が定訳になるはずだと信じて、ゲームメカニクスと対訳しました。

 ゲームメカニクスはメジャーな対訳になりつつあると思いますが、絶対的な定訳とまでは言い難く、「ゲームの挙動」「ゲームのルール」「ゲームの仕組み」「ゲームの仕掛け」などその文脈に沿って様々な対訳が用いられることもあるようです。今回この言葉を表題とした本に関わらせていただくことで、改めて Game Mechanics を「ゲームメカニクス」として対訳しようという提案をする機会を得たと思っています。

 翻訳本にがっつり関わるのはこれで3冊目で、翻訳作業についても自分たちなりに「こうすれば正確さと品質を保てるのでは?」「こうすれば楽なのでは?」「原著者に何を質問すればよいのか?」というアイデアを持つようになりました。Unity本のときはかなりバタバタした作業になりましたが、今回は3冊目ながらも多少こなれたところを発揮したいです。

ゲームエンジンアーキテクチャ増刷

お陰様で「ゲームエンジンアーキテクチャ」が増刷されることになりました。これが最後の増刷で、700部になります。

実は大型本を小ロット刷っても赤字らしいのですが、刷ってくれました。

いつか買おうと思ってた方は、最後の機会ですので、是非購入をご検討ください。エラッタも反映してあります。

ゲームエンジン・アーキテクチャ (Professional game programming)

ゲームエンジン・アーキテクチャ (Professional game programming)

「Unityではじめるゲームづくり」DVDの中身(前)

 「Unityではじまるゲームづくり」無事刷り上がりまして、下記の書店にて先行販売が開始されました。


 本の出来は書店でチェックしていただくとして、そういえばDVDの中身に触れていなかったので、簡単に紹介いたします。全部で5フォルダに分かれており、

Chapters (原著より)各章で使用するプロジェクトやアセット
Final Project Files (原著より)ゲームの最終状態に各章の最終状態のシーンファイルが追加されたプロジェクトフォルダ。超便利
Design Documents (原著より)本書中で作るアクションゲーム Widget の GDD (Game Design Document) やコンセプトアートが入っている。一部和訳のうえ収録
ShaderTest 各シェーダの違いを一覧できるプロジェクトフォルダ
Slides 勤務先の会社内の勉強会で使用した資料を収録

 のような内容になっています。
 原著にあった Appendices フォルダはすべて日本語訳して本文のほうに収録してあります。

Slides

 会社の勉強会用に作成、保守されていたスライドの最新版をPDFに書き出して収録したオマケです。全部で16回ぶんあります。
 一部説明にアニメーションを使っているスライドでは悩み抜いた挙げ句 .mov で書き出しました。
 本文の読書の補助資料としてお使いいただければ幸いです。章によって多少目的にばらつきがある(完全に本書準拠なものと独自のものがある)のと、当日の勉強会では当然スライドとは別に実機操作による上映と口先による解説が入るのですが、DVDにはPDFしか入れられないので、章によっては説明を相当足しました。

 内容は以下のようになっています。

Unity 操作入門(3_Interface)

 本文の第3章「Unityエンジンの概要」は大半がインターフェイスの説明です。このPDFはそのインターフェイス説明に特化したもので、社内の勉強会の栄えある第1回に使われた資料です。全部で113ページあります。

Terrainエンジン入門(5_Terrain_Engine)

 こちらも第5章でTerrainの作り方が解説されていることから、全ツールの使い方を地道にスライド起こしました。全部で88ページあります。そしていま見返してて気づきましたが、すべてのスライドで他社製品のタイトルを伏せ字にしたにも関わらずこの章のスライドには「ポピュラス」という言葉が思いっきり残ってました。 orz

スタティックメッシュとテクスチャのインポート(6_Import)

 まさにこのスライドのタイトルが第6章の骨子です。基本的なインポートの概念のほか、インポート設定を追えるだけ追った全55ページになっています。

スキンメッシュとアニメーションのインポート(7_Skinmesh_and_Animation)

 こちらは勉強会でもハンズオンでやったので、完全な補助資料となっています。全36ページで、 .mov 版もあります。

Javascript入門(8_Javascript

 本文中でも第8章は Javascript 入門で、9章からスクリプトの話が始まる前に最低限のスクリプト記述を叩き込ませる章になっていますが、勉強会の方もこの回は企画さんとビジュアルさんにJavascriptを叩き込むための特別回として行われました。全82ページで、途中の操作をムービーで記録した関係で、 .mov 版もあります。

キャラクター制御と入力(9_Control_Object_and_Input)

 第9章の補助資料という位置づけですが、当日の勉強会では本文を放り投げて、大先輩よりいわれた「オブジェクトの動かし方と入力の取り方とヒットの取り方が分かれば、それを使ってゲームは作れる」の三大要素のうち、オブジェクトの動かし方と入力の取り方についてフォーカスしてやりました。86ページ。

アニメーションの制御(10_Animation_API

 アニメーションの再生や停止などの基本的なAPIに触れつつ、当時 Unity のアニメーションブレンドの仕組みや、フェードのリクエストを複数回打ったときの挙動がよくつかめていなかったので、それを色々検証したものを資料にまとめて勉強会で発表してました。69ページ。.mov版もあります。

Unityのヒット(11_Hit_System)

 本書の11章はトリガーに関する章なのですが、勉強会のほうでは「オブジェクトの動かし方と入力の取り方とヒットの取り方が分かれば、それを使ってゲームは作れる」の三大要素のうち、残る1つの「ヒット」についてみんなで勉強しておりまして、「コライダー」「トリガー」「キャラクターコントローラ」「レイキャスト系」の4つの解説や違いを説明してます。全82ページ(アニメーションを多数枚スライドに展開して書き出したので水増しと言えますが……)。これで十分なのか不安だったのですが、若い企画さんがUnityゲーム開発合宿のときに「これでヒットの処理が書けました」と言ってたのでホッと胸をなでおりました。

GUI制御(13_GUI

 本書13章のようにすべてのGUI制御部品について触れたあとで、原著のアセットを使ってライフバーの実装あたりまでやってます。全107ページ。

ライティングとシャドウ(14_Lighting_and_Shadow)

 この回はビジュアルさんが講師を担当して、ライトの置き方の話もそこそこに「ゲームのライティングって綺麗なことも重要だけど、それ以上にもっと重要なことがあるよね」ということで、なにを目安にライトを置けば良いかとか、何を考えるべきかを伝えてくれた回になりました。また社内勉強会時にはゲームの実際のスクリーンショットがバンバン貼ってあって、出版が決まったときにどうしようかと思ったのですが、すべてに地道に許可を取ることで全収録に成功しました。関係者の皆様本当にありがとうございました。全40ページ。

パーティクルエフェクト(15_Particle_Effect)

 パーティクルエフェクトというのは空間になんかスプライトを単に放出するシステムではなく、もっとも手軽で工夫次第で様々な応用が利く汎用スプライトアニメーションシステムなのであります。ということで出来るだけ各パラメータを分かりやすく図示しました。収録前にエフェクトアーティストさんのチェックを受けましたので、うまく説明が成立していると信じたいです。全87ページ。

Unityのサウンド周り(16_Sound)

 本文のほうがしっかりしているので、勉強会では Rolloff モデルやリバーブの話にも少し突っ込みました。全41ページ。

デバッグと最適化(17_Debug_and_Optimizing)

 アニメーション展開しているところがあって37ページありますが、実質30ページくらいです。本書と違うのはブレイクポイントなどにも少しだけ触れている点でしょうか。一番言いたいのは原著の方で推している OnBecameVisible() と OnBecameInvisible() の挙動のクセです。オクルージョンカリングをやれば動作が変わるのかというところまでチェックしきれませんでした。ちなみに私は作戦3押しです(買わなきゃ分からんことを……)

ゲームをビルドする+iOS編(18_Build_for_PC)(18_Build_for_iOS

 PC向けのビルドを扱ったスライドと、iOS向けのビルドを扱ったスライドの2つに分かれています。あわせて61ページ。

Unityの物理エンジンの機能(SP_PhysX

 勉強会第6回に挟まれた特別回である物理エンジン解説回の資料です。9分の .mov 版も収録してありますが、ほとんどが動いているものを見る回なので、基本的に .mov 版をご覧ください。PDFは37ページ。

 あともう1回ぶんに関しては立場上ここに書けないので、買った人のつぶやきか何かで内容を察していただくか、あるいはソフトバンククリエイティブさんのほうで何か情報が出るかもしれません。48ページあります。

 ということで、アニメーション展開スライドもあるものの、一応枚数としては1,069枚あることが分かりました。
 補助資料として使っていただければ嬉しいのですが、なにぶんもとが勉強会資料なので、勉強会資料に使うのが一番相性がよい気がします。じゃあ1冊買ってプロジェクタで映しながら40人で眺めてよいのか?と言われると「ちょっと待ってください、40冊買ってください」としか言えないのが私の立場なのですが(実際会社の勉強会はマジでそんな感じだったので)、常識の範囲内で有効活用いただければと思います。

 他のフォルダについても触れたいのですが今夜はこれにて。

Unityではじめるゲームづくり (DVD付) (ゲープロシリーズ)

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ゲーム開発合宿なのかゲーム本校正合宿なのか

 数年に1度の社員旅行制度を有効活用するべく、全割り当て予算をネット環境のある研修所の会議室を3日間抑えるのに注ぎ込んで、48時間でゲームを作って帰る Unity Game Jam ……ゲーム開発合宿を企画申請したら通りまして、いよいよ明日、二泊三日の開発の旅へ出発です。
 部署もチームも職種も違うコース枠MAXの37名が集まり、エンジニアもアーティストもデザイナーも特許部も役員もチームを組んでゲームを作るのです。これはもう「胸熱」としか言いようがありません。

 しかし、こんなことを言う方もおられます。


 校正合宿?
 ……そう、この開発合宿には当然「Unityではじめるゲームづくり」の翻訳メンバーも大量に参加しておるわけです。

Unityではじめるゲームづくり (DVD付) (ゲープロシリーズ)

Unityではじめるゲームづくり (DVD付) (ゲープロシリーズ)

 そしてこの合宿には初校校正および添付のDVDオマケデータのラストスパートが完全にかぶっています。
 編集さんなら誰でも思うだろう。「しめしめ」と。二泊三日で校正やで、と。

 ……終わった……

 ……いや! よく考えてみよう! 今までも社内の協力者にレビューをいただき、随分クオリティを上げてきたつもりです。しかし、この37名が48時間でゲームを作る(しかも全員プロの端くれ)という極限状況の会場にゲーム開発本の仕上げのラストスパートがかぶるなんて状況は、普通作れません。

 運命なのです。
 神は言っている。ゲームも本も、両方やれと。

 ということで、こうすることにしました。
 初校原稿およびオマケの勉強会資料を1部ずつ刷って、開発部屋に設置。なにかの疑問にあたったときこの資料をあたって、初校・資料に不備があれば赤ペンで書き込む。
 すぐさま赤ペンの修正をデータへ反映。反映したら蛍光ペンを上から塗ってフィードバック終了のサインとする。

 研修施設の会議室が使えなくなる夜、ホテルの8部屋ある5人部屋のうち1部屋は校正部屋に。そして、その部屋の灯りが消えることはないという……まあチーム単位で部屋振り分けるんで他の部屋も灯りは消えない気がするけど。

 原著は翻訳本ですから内容から大きく逸脱はできませんが、勉強会資料のほうは私たちのオリジナルであり、これらかも社内で使っていくものなので強化されるに越したことはありません。

 僕は仲のいい企画職がそうそう社内じゃ作らせてくれないだろうネタを持ってくるみたいなんで、初日は研修講師*1担当して、二日目からそれ作ります

 なお開催にあたっては Unity Technologies 社のご協力もありました。ただただ感謝です。
 ほんとこんなところにおそるおそる書くんでなくて、いつか誰かがどこかでどうなったか報告できたら面白いと思います。
 楽しんできます!

*1:Unityの知識がない人も初日後半から参戦できるように2つ部屋を借りて1つを研修部屋する手筈になっている