OGRE 3D コミュとのカルチャーギャップ

XOOPS Cube の設計は OGRE3D をベースにしている。OGRE3D は標準的な空間分割木を持っていて、空中戦ならオクトツリーシーンマネージャ、ダンジョンシージを作りたければクアッドツリーシーンマネージャを使えばいい。

もし、その枠から外れたり、もっとパフォーマンスの高いものを使う必要があるなら作ればいいし、それを頒布できればなおよい。そのために極度にモジュール化された設計を採っている。

いかにもフリーソフトウェア活動に相性のよいカルチャーで、実際に多くの交換用プログラムが発表されている。

僕はこれと同じことが XOOPS Cube で起こればいいと思って、基本設計と基本コンセプトを同じものにして、「OGREのようにやろう」ということを壊れた人形のように繰り返し言い続けてきた。しかし、対 Web カルチャーという観点からすれば、このコンセプトは見当違いだったかもしれない。

例え話として、
もし仮に OGRE3D でリッジレーサーバーンアウトリベンジ、ワイプアウトのようなループチューブタイプのレースゲームを作るとする。

ここで OGRE3D のカルチャーなら1秒の躊躇なく専用のシーン管理システムを作ることを決めるだろう。しかし Web のカルチャーの場合、既存のクアッドツリーあたりを「流儀」として使おうとして四苦八苦するのではないだろうか。

これは決して、時間を大切にしたい日本と、時間が潤沢な海外の違いではないと思う。日本でもフリータイムにサイバーフォーミュラのレースゲームを作ってサンライズに怒られたり、ハルヒスマブラ風大乱闘ゲームを作って角川に活動停止を申し渡されたクリエイターたちがいる。

XOOPS Cube の交換まわりでアレコレすることは、スマブラ風大乱闘ゲームのほんの一部分…たとえばスキンモーションデコーダを書こう等という作業と比べても全然軽量の作業だと思う。つまり問題なのは作業の量とか規模ではなく、性質なんだろう。

「新規もの」を一週間かけて作るより、「既存のもの」を二週間かけて上手く使うことのほうが満足度が高い(あるいは評価が高い)というカルチャーなのだと思う。