Game Engine Architecture

REAL-TIME CAMERAS が面白かったので、 Game Engine Architecture も買ってみました。

Game Engine Architecture

Game Engine Architecture

感想: 日本の国益のためにすぐさま翻訳すべきです。

割と最新のゲームの取り組みや内製エンジンの実例*1スクリーンショット等を交えて、基礎設計からランタイムデバッグメニューなどのコアなネタにもページが割かれてます。

圧巻だったのが冒頭にあったランタイムエンジンの設計図で、上下にゲームタイトルレイヤーからハード依存レイヤーまでが書いてあって、各レイヤーの中にフィーチャーがブロックで書いてある図なんですが、これが、

「上のほうはプロジェクトチーム毎に書いてもいいけど、下のほうはプロジェクトチーム毎に書いてたら馬鹿だよ君たちの図」

だとしたら。
ホントにここまでやってますかって言われたら……

しかもモジュールなわけですから。上位下位に関係なく、プロジェクトに合わなきゃ部分交換すりゃいいだけなんだから。若い技術者が好奇心を抑えられなくて中間くらいにある確立済モジュールの換装に挑むようなことがあっても、日本型企業ならアリなわけで。それを可能にするのもアーキテクチャで、大筋の設計に失敗したときにレイヤーやモジュールの積み上げ方を組み替えてリトライできるのもアーキテクチャかと。

しかし、そう思っても、この図一枚が書けなかったがゆえに、取りかかろうにも取りかかる理解を周囲から十分受けられなかった方は多いのでは。

英語の読めない猿が、外国の文献から自分でも分かる絵図を取り出して騒いでるようで恐縮ですが、とにかくそういう本です。

*1:アンチャーテッドのエンジンの情報提供や、スクリプトネタでLispがあがるなど、みんなの大好きな Naughty Dog の影がチラホラしてます