Structure of a Typical Game Team
Game Engine Architecture の冒頭で、典型的なゲームスタジオ*1は以下の5大専門職で構成されていると述べられています。
- エンジニア
- アーティスト
- ゲームデザイナー
- プロデューサー
- そのほか
興味深いので、かりつまんで引用しますと、
エンジニア
- ゲームやツールの設計と実装を行う。
- 通例、エンジンとゲームそのものに取り組むランタイムプログラマと、オフラインツールに取り組むツールプログラマの2グループに分かれる
- どちらのラインでもエンジニアは様々なスペシャリティーを持っている
- シニアエンジニアはテクニカルリーダーシップをとる
- リードエンジニアはコードの設計や記述も行うが、チームスケジュールの管理も手伝い、全体の技術的方向性を決断し、必要に応じてヒューマンリソースを直接管理する
- 会社によってはテクニカルディレクター(TD)職を設けて、高い視点からひとつ以上のプロジェクトを監督させ、チームの技術的挑戦、近々の開発、新技術等々を確たるものとする
- ゲームスタジオにおける最上位のエンジニアリング職は最高技術責任者(CTO)
アーティスト
- ゲーム産業における"コンテンツの王"であり、ゲーム中のビジュアルとオーディオコンテンツのすべてをプロデュースする
- 彼らの仕事のクオリティが文字通りゲームを作り上げ、もしくはゲームを台無しにする
- 得意分野で以下に分けられる*2
- コンセプトアーティスト
- 3Dモデラ
- テクスチャアーティスト
- ライティングアーティスト
- アニメーター
- モーションキャプチャーアクター
- サウンドデザイナー
- ボイスアクター
- また多くのゲームで1人以上のコンポーザー職を設けている
- エンジニア同様、シニアアーティストはよくチームリーダーとしてお声がかかる
- いくつかのゲームチームでは1人以上のアートディレクターを置く。その職責は、ゲーム全体の見た目を管理し、全チームメンバーの仕事に一貫性を持たせること
ゲームデザイナー
- プレイヤーのゲーム体験(いわゆるゲームプレイ)のインタラクティブな部分を設計する
- 異なる種類のデザイナーが、それぞれ粒度の違う仕事に取り組む
- 何人かのゲームデザイナー(たいていシニアゲームデザイナー)は、ストーリーの原型、チャプターやレベルの全体のシーケンス、ハイレベルのゴールとプレイヤーの目的を決定するというマクロレベルの仕事に取り組む
- そのほかのデザイナーは個々のレベルに取り組み、背景のジオメトリをレイアウトし、敵や武器やヘルスパックなどのアイテム類がいつどこで登場するか決定し、パズル要素を設計する
- さらに他のデザイナーは、ゲームプレイエンジニアと密接に協力し、スクリプト等のコードを書いて、高い技術レベルにおいてオペレーションを行う
- ゲームデザイナーの中には、ゲームプレーを決定するより積極的な役割を求めてジョブチェンジした元エンジニアもいる
- ゲームチームによっては1人以上のライターを雇うことがある。
- ライターはシニアゲームデザイナーと協働してゲーム全体のストーリー原型を構築し、ダイアログの個々の文を書く
- 一部のシニアゲームデザイナーは管理職を請け負い、実際、多くのゲームチームがゲームディレクターを置く。
- 彼らの職分は、ゲーム設計のすべての側面を監督し、スケジュール管理を手伝い、個々のゲームデザイナーの仕事が製品全体で一貫しているようにすること
プロデューサー
- 定義はスタジオによって様々
- あるスタジオではスケジュール管理とヒューマンリソースの供給役
- またあるスタジオでは、シニアゲームデザイナーの立場にある
- さらに別のスタジオでは、開発チームと会社のビジネスユニットの繋ぎ役
- 小規模の開発スタジオではプロデューサー職自体がない
- ちなみに Naughty Dog では二人の共同社長もゲーム構築に関わるため、チーム管理やらビジネス職務はチームのシニアメンバーでシェアしている
その他の職業
- 会社の経営管理部
- マーケティング部(もしくは外部のマーケティンググループとの連絡役)
- 経営スタッフ
- IT部 --- チームやチームの技術サポートを提供するためのハードウェア、ソフトウェアの購買、インストール構築を行う
とまぁ、こんな感じなんですが、以前ネタにしたゲームデザイナー職を除けばそこまで日本との違いはないかもしれません。エンジニアとアーティストは下手したら日本のほうが細かく部や課でセクション分けしているのでは。
- 作者: Jason Gregory,Jeff Lander,Matt Whiting
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